思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

二重殺人トライアングル

由良三郎 ☆☆☆★ 光文社カッパ・ノベルス3づくしのミステリーということで、大学生バンドがメイン。バンド名が三角関数で、メンバーのあだ名が、本名をもじってのサイン、コサイン、タンジェントときた。 バンド演奏中に、首吊り自殺のパフォーマンスをした…

『地獄でなぜ悪い』☆☆☆★園子温監督作品。最初は、映画バカの大学生仲良しグループが、夢を諦めきれずにいる物語と、ヤクザの娘で、子役として一発当てたが、母親が抗争で刑務所に入ったのでグレた(ヤクザの娘がグレても、真人間になるわけではない(^_^;))…

『時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!』☆☆☆★セイン・カミュみたいなおじさんが、天使としてドイツ庶民の生活を見守っているが、ある時、ベランダから落っこちた女の子を助けてしまったために、天使の翼を失い、人間になってしまう。 そこで、当…

ゼイリブ

☆☆☆邦題は、てっきり有名なガイコツ顔のエイリアンの名前かと思ったら、作中に出てくる壁の落書き『they live 、we sleep』の前半をとったもの。英語スペルも「ZEIRIVE」とか(^_^;) 巷なの評価が高いのだが、私的にはC級にしか見えなかったなぁ・・・。 流…

仕事

天外伺朗『人材は「不良社員」からさがせ 画期的プロジェクト成功の奥義』を読むソニーでCDや、ニュースと呼ばれるワークステーションを開発した「D博士」にインタビューしたもの。 徹頭徹尾、大企業病や、その中で、画期的なプロジェクトを成功させるため…

地獄の門

法条遥 ☆☆☆☆ 角川ホラー文庫死んで地獄へ行った主人公が、自分が誰に殺されたのか捜査する……といえば『デッド・ディテクティブ』を真っ先に思い出すが、本作はちょっと違う。 ネタバレなしで書くのが難しいが、SFミステリにしてミステリSF、という感じ。 ど…

カラーレス(2)

前巻からそうだが、アップになると、何が描いてあるのかよく分からないコマが多々ある。デザインは良いし、デッサンも悪くないので、ひとりひとりモンスターの、デザインが異なる設定なので、顔、なかんずく目元のアップだと、途端に識別の要素が減ることと…

『ファースト・マン』☆☆☆言わずと知れたアポロ11号の月面着陸までを、アームストロング船長の視点で描いたもの。 内容そのものは科学・宇宙・SFファンなら常識だし、『アポロ11号 完全版』のように淡々と描いたものでもなく、『アポロ13』ほど劇的でも…

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』☆☆☆☆こういうタイプの映画はなかなか類例がないかも? ディレクターズカットでも、エクステンデッド版でもない。テレビシリーズを映画にする際に追加カットを新規に描き下ろしたものは普通だが、映画に追加カットを…

私論「右翼と左翼」私がちょいちょい使っている「右翼」とか「左翼」という言葉の定義について。 長くなりそうなので、随時書き足して行きます。 後へ行くほど余談になるので、適当に切り上げていただいて構いません。まず、大前提として、右か左か、の二元…

『蒼き鋼のアルペジオ(21)』 ☆☆☆☆★遂にアドミラリティ・コードの正体が明かされる。ほとんど神で、まさしく『封神演義』と『沈黙の艦隊』を足して2で割らないような作品となった。もう、言うことありませんm(_ _)m これ、最初からここまで考えていたなら、…

エヴァンゲリオン テレビシリーズ

☆☆☆★改めて通して観た。今回気がついたが、初号機が暴走して使途を食った次から後は、当時、見てなかった。それだけでなく、特に重要な過去エピソードの回を、今に至るまで見逃していたのだ。その後のラスト2話は見ていたのだが。これさえ見ていれば、余計…

蒼海館の殺人

☆☆☆☆★前作では山火事の元での殺人事件だったが、本作では水害ときた。つくづく、異常事態を設定するのが好きだわ。行く先々で殺人事件を起こす、江戸川コナンみたいな死神といるが、本シリーズの主人公はある意味、それ以上の疫病神である。ほんさでは、村…

『フェチップル(7)』 ☆☆私的には、この作品はフェチ成分8割、プル(カップル、恋愛)成分2割で楽しんでいるのだが、仕切り直しの第二部では、フェチ成分2割、プル成分8割になったので、全然面白くない。第一部ですら、5巻中、2巻しか楽しめなかった…

『アトラクション 侵略』☆☆☆☆前作では、とりあえず宇宙船のビジュアル(レンダリング)とロシア軍の兵器描写が格好良かった印象なので、続編もビジュアル面を重点にチェック。 ストーリーはほとんど忘れていたので、どっちが元カレだったっけ? と最後まで分…

『ミッドタウン・タワー 超高層ビル248mへの道』深光富士男 ☆☆☆☆ 佼成出版社図書館のおすすめ本コーナーにおいてあったもの。ルビが打ってあって、おそらく小学高中高学年向けのものだが、劇的ビフォーアフターの超大型版というか、プロジェクトXか、ディ…

紅蓮館の殺人

☆☆☆★ 講談社文庫タイガ山火事の中の殺人事件、というと、『シャム双生児の秘密』とか、有栖川有栖の某作品を思い出した(が、山火事ものはなかった、何かと勘違いしたかな?)。 嘘を見抜ける特異体質の高校生探偵のワトソン役が主人公。そこへ、年上の元女…

『スマホを落としただけなのに』☆☆☆原作は既読、というより、映画化を先に知って、映画は面白くなさそうだから、とそちらをパスするつもりで原作を読んだ感じがする。 まあ、一言で言えば本筋は『仰天ニュース』とかの再現VTRみたいな感じ。そこに、連続殺人…

『科捜研の女 劇場版』☆☆☆☆テレビスペシャルもちょくちょくやっている印象だし、絶対に一年後にはテレビでやるやろ?! という映画を劇場に観に行くのはよほどのファンだと思うが、公開一週後だがガラガラではなかった(^_^;) 準レギュラーや、卒業した過去の…

ダイナー

☆☆☆原作は既読だが、あのぶっとんだ内容を忠実に映画化するのは無理だろう。 案の定、というより、斜め下を行く内容。 下というのは、邦画ではありがちな、ツンデレ恋愛ものになっていること。殺人者だけのダイナー(レストラン)というのに、どんな殺人を…

アルペジオ(20)

☆☆☆☆今回はバトル巻。おまけに同士討ちというか、霧を半ば裏切ったレパルスによる大陸間弾道弾的な攻撃だ。その一部始終は、大迫力かつ、何がどう動いて、何がおこっているのか完璧に理解できる、素晴らしいもの。124から140ページくらいなんて神がかってい…

ヴェノム

☆☆☆★いわゆる『スパイダーマン』の悪役を主役にしたスピンオフ映画。 主人公は、いかにまアメリカン・マッチョで、なおかつよく見るタイプだなぁ……と思いつつ、最後まで思い出せなかった。後で知ったが、『マッドマックス4』の主役の人だった。 対するヒロ…

サマー/タイム/トラベラー(1)

新城カズマ ☆☆★ ハヤカワ文庫JAジュヴナイルというか、ライトSFというか……。一人称視点ならではの、厨二病っほく(主人公は中高生だから適当なのだな)比喩的というか、おっさん読者からすると、格好つけた比喩が鼻につく。要するに、タイムスリップものだ…

『零號琴(下)』飛浩隆 ☆☆☆☆ ハヤカワ文庫SF解説によると、本作は原爆を起点にした戦後の日本SFを俯瞰するような作品らしい。最後にそれを読むまでは、『プリキュア』シリーズと『まどかマギカ』を融合したような作品かと思っていた。こと下巻に至っては、戦…

アルペジオ(19)

☆☆☆☆★いよいよ第四施設の正体と、事件の実像が語られる。 藤崎竜にも通じる一級のSFマンガセンスで、文句のつけようのない素晴らしいものだが、どうせなら、1巻の冒頭は、ここから初めるべきだったよなぁ。映画で言えば、アヴァン・タイトルにあたる位置に…

ハロウィン(2019)

☆☆☆★有名なシリーズなのだが、今までひとつも観る機会がなかった、周辺情報を見分すると、第一作から、間を全部すっ飛ばした作品で、ゴジラで言えば、『東京SOS』のような作品のようだ。 本作を観ただけでは、マイク・マイヤーズ(ブギーマン)が、何故、何…

カラーレス(1)

KENT ☆☆☆☆ リイド社書店で見て、気になっていたのだが、ジャケ詐欺かな……と訝って手を出していなかったもの。 色のない世界、という設定が面白い。SFファンとしては、本作中での科学的考証は全然だと言わざるを得ないけど(^^;) ちなみに、太陽フレアによる…

蚊の話 追記

唯一にして、最大の良かった内容。 一発でやっつけられなくても、蚊は振動を感知して、避けるようになる、とのこと。 攻撃は最大の防御なのだ。

『クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ4人の勇者』☆☆☆★子供たちが落書きをしなくなったから、落書きをエネルギーにしていたラクガキングダムは、墜落の危機に瀕していた。 ・・・って、『モンク』というより『ドラえもん』というより『アンパ…

検察側の罪人

☆☆☆★まず、オープニングはめちゃくちゃ格好いい。『インセプション』っぽいというか、スタイリッシュな東京のビル街の写真をミラー反転させてシンメトリーにしたもの。ただ、それに重ねて本編の登場人物がうっすら映るのはどっちらけだった。 いつとキムタ…