思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

消えたサンフランシスコ(上)

ブライアン・ハーバート著/関口幸男訳 ☆☆ ハヤカワ文庫SFたぶん、『首都消失』のほうが先だと思うが、日本一のSFの巨匠とは言え、アメリカで読まれているとは思えないので、単なるシンクロニシティか。また、本作では、同作とは反対に霧の中の視点で描かれ…

メタルK

巻来功士 ☆☆☆★ヒロインの顔は覚えているので、連載当時に読んでいたはずたが、ほとんど覚えていなかった。最近自伝『連載中止!』を読んで多いに興味を惹かれたのだが。 まず、ビジュアルから入る私としとは、『ジャンプ』の新人にしては絵が上手いことに驚…

ムダゼロ会議術

横田伊佐男『ムダゼロ会議術』を読む印象に残ったところ「会議の性質はたった3種類しかない。(略) 「決定」会議 決断が求められる会議。(略)呼ぶ人:決裁者、プレゼンター、御意見番 「拡大」会議 発想の拡大や飛躍が求められる会議(略)呼ぶ人:専門…

くもりときどきミートボール

追記 宇多丸師匠の言うように、作中でいう「ガリ勉」肯定映画。普通なら、メガネにひっつめ髪、というお天気キャスターの女性が、最後にはどちらも外す、という展開になるのに、本作では逆。スタジオのアンカーにそれをいじられても気にしない、というから…

『「女帝」の誕生』関裕二 ☆☆☆★ 講談社改めて考えると、現在でも右側の人は、女系天皇けしからんとか、男系こそ天皇・国体の本義、みたいなことを言っているが、それまで男だけだった天皇に女がなるということ、同じ人物が2度も即位するなど、当時は前代未聞…

『くもりときどきミートボール』☆☆☆☆ 宇多丸師匠が絶賛していた、というので観てみた。 ストーリーは、冴えない若者が、珍発明で一躍ヒーローになるが、それが暴走して世界の危機。なんとかガールフレンドと世界を救う、というベタベタなもの。 食べ物が降っ…

『ザ・バニシング 消失』☆☆☆★ あまり情報がなく録画してみた。 とりあえず、80年代のヨーロッパ映画らしく、舞台はオランダ人がフランスに車で新婚旅行に来た、という設定。 途中で立ち寄った高速道路のパーキングエリアで、駐車中の車から売店に買い物に…

『ジョーカー』再&考察 ☆☆☆☆ 前回の感想を書いた後、1回普通に観て、てらさわホーク氏らによるコメンタリー版を観た。それらを踏まえて考察してみた。まずは結局わからなかったこと。 時計が11時11分である理由。感想動画を観た時は何回も写るのかと思…

トップ・ガンナー

☆☆ロシア製ステルスS U 50が登場する、ということで観てみたが、最初に「アルバトロス・フィルム」と出たので、一気に萎えた(^^;) 原題も同じということからも、まじめに作るきがないのは容易に窺い知れる。 米軍特殊部隊がロシアのスパイをやっつけてみた…

完全なる飼育 étude

☆☆☆★80年代の雑誌で広告を見た記憶があるが、竹中直人が出ているのが同じくらいで、別物らしい。ちょっと調べたら、セルフリメイクの嵐というか、シリーズ化されたいたらしい。 本作は、高い評価を得ながら姿を消していた女流舞台演出家(月船さらら)が、…

『もう時効だから、すべて話そうか』一橋文哉 ☆☆☆★ 小学館文庫 著者の本は3冊読んでいて、その時には感じなかったのだが、本書ではエッセイっぽい感じのせいか、作者の個人的感想がちょくちょく出ていて、そこが気になった。 ジャーナリストだし、左翼なの…

『第八の探偵』 ☆☆☆★ ハヤカワミステリ文庫クリスティ好きなら、裏表紙を見ずに読むのがお勧め。 確かに前例のなさそうなトリックなのだが、悪い意味で作用している。これを使わないのは、これをやって読者を納得させるのはかなり難しいから。 千街氏の解説…

『最終兵器彼女(7)』高橋しん ☆☆☆本作の感想を一言で言えば、設定は素晴らしいが、マンガとしては欲求不満爆発。衣谷遊とかに描いて欲しかった。 惨状はリアルに描いて欲しかったし、女性キャラは見分けがつくように、ちせの兵器モードは醜いモンスターか…

『空気が読めなくても それでいい』細川貂々+水島広子 ☆☆☆★ 創元社精神科医の水島広子の解説を、細川貂々が自分の体験を加えてエッセイ漫画にしたもの。 本書では発達障害とまでは言えない「普通」つまり大多数の人々よりは少しずれた人を「非定型発達」と…

「ほんのひと言」に傷つかなくなる本

大嶋信頼 ☆☆☆★ 大和書房ひとことで言えば、メタ認知のススメ。 「場の空気を読めない人は「人の気持ちを考えていない」と思われてしまうのですが、(略)逆に「場の空気を読まなければ」と思って「人の気持ちを考えすぎる」ということをやっていたりするの…

ガンダム アーカイヴス ガンダム・センチネル編

☆☆☆☆ 大日本絵画前作『ペズンの反乱編』の次なので、比較的最近の本誌作例を集めたもの、かと思いきや、それ以前の物も収録されていた。 数々のモデラーのみならず、世界中の軍関係者にも影響を与えた(単なる正確な情報に基づくシミュレーションの結果、現…

『アポロ11号 完全版』☆☆☆☆どんな映画だったっけ? と思ったら、予告編を観た記憶を思い出した。これまたドキュメンタリー。アポロ11号の打ち上げから、帰還までを映した記録映画だ。 単なる記録ではなく、管制室の様子や、打ち上げを湾の対岸から見に集…

『北斎』☆☆☆★ 勅使河原宏監督。てっきり時代劇かと思っていたら、30分のドキュメンタリーというか、NHK教育テレビのようなノンフィクション、文芸(?)映画。 1953年の映画ということで白黒だが、アップからロングに引くカメラワークを活用して、筆のタッ…

古事記異聞 鬼統べる国、大和出雲

高田崇史 ☆☆☆☆ 講談社ノベルスこのシリーズは、余計な殺人事件が起きないので、歴史の謎に集中できるのが良い。 本作でも、主人公たちが、奈良県の史跡を巡ることで、歴史の謎を解き明かす、関裕二の歴史ノンフィクション(フィクション?)を読んでいるか…

サイコ

☆☆☆★ヒッチコックの、有名な映画。まずは白黒ってことに驚いた。 共通点は白黒ってことだけかもしれないけど、『めまい』とか『死刑台のエレベーター』とかを連想した。 貧乏な男と不倫しているオールドミスが、仕事でひょんなことから大金を預かることにな…

魔眼の匣の殺人

☆☆☆★センセーショナルな状況、論理的な土台に基づく強烈などんでん返しの前作に比べて、ずいぶん地味。カー的な幻想探偵小説という感じ? 主人公男女や、斑目機関などの続編であることは間違いないのだが、いったいどうやってあれの続きを作るのか、とおも…

ポリスストーリー/香港国際警察 追記

なんといっても主題歌がいい! ビートの格好良さが7割だろうけど、ボーカル(ジャッキーらしいけど、よくわからん(^^;)) ヒロインが、実はアクション(素人役なので、コメディ的に、敵に翻弄される受けのアクションだけど)もできる? と思ったら、オープ…

『ジョーカー』☆☆☆各所で話題になっていたので、期待したのだが、ちょっと違う感じ。 『自転車泥棒』に代表されるイタリア映画? と言う感覚だったが、『タクシードライバー』に代表されるアメリカン・ニューシネマを現代(今頃?)にやった、と言う感じ。 …

『戦車模型 超級技術指南(2)』高石誠 ☆☆☆★シリーズ3巻のうち、本巻だけが在庫切れになっていた。 なぜなのかと思っていたが、読んでみてわかるような気がした。 「超級」の何たるかを知らしめた1巻、ドライブラシやチッピングではない、実物同様の塗装はが…

『最終兵器彼女(6)』高橋しん ☆☆★いよいよ終局へのカウントダウン、と言う感じ(7巻で終わるのを知っているので)。 ちせが暴走? と思わせて夢オチとか、シュウジが悩んでいると言うか、いろんな意味で追い詰められている表現と受け取るのが正しいのだろう…

『ポリスストーリー/香港国際警察』☆☆☆☆観たことがあるが、谷垣建治監督オススメということで再見。 ラストバトル以外はほとんど忘れていた。20年ぶりくらいだからなのかな。 序盤は地味と言うか、初めての銃撃戦にビビる刑事とか、『リングにかけろ!』…

空気人形

☆☆☆★業田良家原作、是枝監督作品。 板尾が文字通りのエア恋人として、会話までしているラブドールが、ある日、何の前触れもきっかけもなく意識を持って動きだした。次第にしゃべり、考え、表情と感情も豊かになって、人間に近づいてゆく彼女だが、空気穴だ…

アルペジオ(17)

☆☆☆☆なんか今まで謎を明かさなかったのが嘘のように、一気に謎明かしが。連載終了か? と思ったが、中盤以降は通常営業に戻った。 群像の過去や、天羽の死亡原因が明かされた。 事故現場で起こっていたのは、てっきりメンタルモデルの製造工場だと思ったら…

石の殺意

牛次郎 ☆☆★ 祥伝社ノン・ノベル「うしじろう」って変な名前……。と思ったら、「ぎゅうじろう」と読むらしい。プロフィールは全く知らない。純粋に小説だけの感想。 完全間近の美術館の庭園の石像か、死体が除いている? という通報から始まる。刑事が主役で…

ガメラ3

☆☆☆☆4Kリマスター版のコンバート版。 通算では20回めくらい?? 久しぶりに見たら、映画リテラシーがついたせいか、演技のヘタさが気になってしかたない(;_;) 藤谷文子のヘタさ加減は前からだったが、それ以外にも。 もう、楽しめなくなってしまった…