思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

暗殺のオペラ

☆☆☆★芸術的な映像、というふうな紹介文に引かれて観てみた。 なるほど、全カットが完璧に整えられている。シンメトリーを基本にした構図はもちろん、色彩も素晴らしい。まるでフェルメールの絵画のようで、まんまなカットもある。 凄いのが、最近の映画にあ…

ガンダム0080

4話一6話 ☆☆☆ケンプファーとの戦いは5話だったか。せっかくのアレックスのチョバム・アーマーなのに、爆発反応的なところが全くわからないのが残念。これじゃただの鎧(フルアーマー)やん。 潜入が任務の特殊部隊ゆえ、白兵戦がメインなのだが、そのデ…

伝説のアーケードゲームを支えた技術

松浦健一郎&司ゆき ☆☆☆★ 技術評論社主にアーケードを中心にしているが、家庭用ゲームも含めたゲームのハード及びソフト両面から、技術開発の歴史を解説したもの。ゲームシステムや面白さよりも、理系的な開発技術史である。「1976年に登場するZ80は(略…

ボーダー

☆☆☆★『ヒート』と同じく、アル・パチーノとロバート・デニーロがダブル主演。あちらに比べると、本作は二大スターの競演とか、騒がれたのを見た/読んだ覚えがないのだが、映画のできが悪いからなのか……? ということと、サンテレビの深夜放送ということで…

スローな武士にしてくれ

☆☆☆☆ケーブルテレビで観たが、元はNHKのドラマらしい。明らかに東映をモデルにした、京映という時代劇撮影所に、NHKから、最新機材を使ったパイロットフィルムを撮影したい、という依頼が。スローつまりハイスピード撮影での殺陣をメインにする、ということ…

三十三人目の探偵

吉村達也 ☆☆★ 角川文庫割と初期の作品だから大丈夫かと思ったが、いかにも量産作家的なミステリーだった。赤川次郎とか凝ってない時の辻真先のような。 金持ちばかり集めた全寮制私立高校で、転校生ばかりが一年に3回も殺される事件が発生。そこへ転校する…

ガンダム0080

1話−3話 ☆☆★ほぼ30年ぶりに観る。 あくまで私的な感想としては「ドラえもんみたいな子供騙しアニメだ」というもの。 子供キャラの声を子供があてている、というだけでもうダメ(^^;) よっぽど天才的な子役ならともかく。声優は、実写の子役よりはるかに必要…

『「白い恋人」奇跡の復活物語』石水創印象に残ったところ「「これは安心・安全なのか」、「これを変えるとコンプライアンス違反になるのではないか」を基準に考えてしまうと、答えは「何も変えないこと」、あるいは「チェック項目を増やすことだ」という、…

『パンズ・ラビリンス』☆☆☆★ ギレルモ・デルトロ監督。邦題は英語版タイトルの直訳(というより単なるカタカナ表記?)で、メキシコ原題の直訳だと「姫の迷宮」になるのかな。 以前に読んだあらすじからは、てっきり主人公の少女が迷い込んだ迷宮での大冒険…

『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』☆☆☆★ドキュメンタリー。中島貞夫をガイドに、日本映画とほぼ同じ歴史を持つちゃんばら映画について紹介してくれる。良くも悪くも、NHKスペシャルでやってくれ、という内容だ。 春日太一(実際に登場してインタビューを受…

『秘録 イスラエル特殊部隊 中東戦記1948-2014』 マイケル・バー=ゾウハー&ニシム・ミシャル著/上野元美訳 早川書房原題は『No Mission Is Impossible』(不可能なミッションはない)で、邦題とはまるで違う上に、特殊部隊(だけ)の話ではない。イスラエ…

『蜜蜂と遠雷』 ☆☆☆★宇多丸師匠のを始め、感想動画はいくつか視聴したが、「どいらじ」のそれが一番参考になった。 https://www.youtube.com/watch?v=iQwbcbTPVgc 撮影監督が外人、ということもそこで知って、なるほどと思った。 各地で絶賛されていたが、私…

消えた断章

深水章子 ☆☆☆★ 光文社誘拐もの。序章で、誘拐犯からの身代金要求に「断る!」と言い放つ導入に、俄然興味を持たせられる。 そこから本編は、大学生の推理小説家志望の主人公、祖父が定年退職して老人ホームにいる元殺人課刑事、妹が活動的で兄を慕っている…

ベーシック・インカム

井上真偽 ☆☆☆★ 集英社SFミステリ短編集、というのが作者にしては意外なチョイス。『言の葉の子ら』☆☆☆★ 変な言動をする幼稚園の話。これ、多分最大のどんでん返しに関するネタは出てきた瞬間に分かった。ただし、もう一つのネタである暗号モノは、1ひねり…

『愛国戦隊大日本』 ☆☆☆★知る人ぞ知る、ガイナックスのゼネプロ時代、すなわちアマチュアとプロの中間段階の8ミリ自主映画。 要するに戦隊モノのパロディで、主題歌からして『サンバルカン』の替え歌。中身も完全に戦隊モノのそれ。設定としては右翼的史観…

犬鳴村

☆☆☆★情報ゼロで観た。清水崇監督といつことで、普通に怖いJホラーという印象。 犬鳴村というのが、実際に世間で知られている都市伝説ということを知らなかったので、最初のユーチューバー的な動画撮影のくだりがよく理解できなかったが、ここをはじめ、都…

1941

☆☆★スピルバーグ印であり、『ガルパン』の元ネタの1つでもあるということで期待したのだが、映画としては好きじゃなかった。 ひとことで言えば、戦争ドタバタコメディ。『戦略大作戦』とかよりももっとアホらしいトーンである。三船敏郎も、敵役の潜水艦艦…

『ドラゴン・ファイト』 ☆☆☆☆ めちゃくちゃ凡庸というか、超テキトーな邦題(^_^;) アクションシーンだけは何度も見ていたけど。久しぶりに最初から最後まで見た。 冒頭、舞台説明となるアメリカの空撮を除くと、いきなりジェット・リーの演武から始まる。じ…

女が死んでいる

 貫井徳郎 ☆☆☆★ 角川文庫『女が死んでいる』☆☆☆★ 目が覚めたら、自分の部屋で女が死んでいた、というのはミステリー的にはよくある設定。本作では、主人公を泥酔するとすぐ女を口説くホスト、という設定にすることで、リアリティを確保しているのが特徴。た…

タイタン

野崎まど ☆☆☆☆人類が必要とする全てのサービスを人工知能タイタンとそれに制御されるロボットがやってくれるようになった未来。人類は仕事をする必要がなくなった。まさに昭和に夢見られた未来像そのものである。 12あるタイタンの効率が下がってきている…

『悪徳商法 わざと引っかかってみました』多田文明 ☆☆☆★ 彩図社 著者いつもの体験ルポだが、前書きでいうように、次々に出てくる詐欺商法なので、出来る限り多種多様な事例を知っていくことは、それだけで価値があるだろう。 著者の本は何冊も読んでいるので…

6600万年の革命

☆☆☆★ 創元SF文庫原題はfreeze frame Revolution。 『宇宙の孤児』『月は無慈悲な夜の女王』『都市と星』を混ぜて、現代的にしたような話である。あとは映画『パッセンジャー』とか。 ブラックホールを動力源にした、小惑星型の銀河間宇宙船、という魅力的な…

ジョジョリオン25

☆☆☆★最初に岩人間の設定が明かされる。蜂に寄生・共生するのはどうでもいいが、『スティール・ボール・ラン』の悪魔の手や、石仮面までがそれに含まれるとは驚き。敢えてなのか描かれていないが、当然柱の男もそうだよなぁ。 定助のシャボン玉が紐の回転だ…