思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

若おかみは小学生

☆☆☆★めちゃ評判良かったのてま期待したが、ちょっと色々な意味で「違う」感じ。 最大の障壁は、ジブリっぽさ。主人公たち子供キャラは原作に近くて良いのだが、大人たちはまんまジブリ。声優も一部を除いて素人(芸能人)。ジブリ好きなら、そのへんがないぶ…

ライムスター宇多丸の映画カウンセリング

宇多丸 ☆☆☆☆ 新潮文庫映画を勧める際には、相手がどういう志向なのか知ってからでないと、心を射つ紹介ができない。翻って、相手からの(人生?)相談から、映画をいくつもオススメする、という雑誌連載をまとめたもの。 『ムービーウォッチメン』は好きなの…

『日本国紀』の副読本

百田直樹&有本香 ☆☆☆★発売後、時間が経ったせいもあるが、それでなくても何回かに分かれて『虎ノ門ニュース』で二人が喋ったことばかりなので、殆ど目から鱗が落ちるようなところはなかったなぁ……。 百田さんの執筆風景と、有本さんの振り回されっぷり、そ…

日本残酷写真史

下川耿史 ☆☆☆★ 作品社写真が普及して以来、日本を中心に、いわゆる残酷として、現在のマスコミには載らない死体写真を集めたもの。写真は多目だが、写真集ではなく、あくまでも文章の図版という形である。 文中で、本書は歴史を語るものではなく、判断は避け…

ピタゴラ装置 DVDブック3

☆☆☆☆今頃読む/見るには、『大人のピタゴラスイッチ』やコーナー『トンカッチのそこが知りたい』で解説されたのを観た内容も多いが、ピタゴラ装置の要所解説や、テーマなど、DVDと合わせて見ると面白い。 書籍のほうも、よりぬきではなく収録作品の全てにつ…

リモートで殺される

☆☆☆★1億総蟄居時代に流行ったリモートドラマがテレビにも登場。秋元康プロデュース、中田秀夫監督、前田敦子主演、川井憲次音楽というホラーとしては鉄板の布陣。 ネットの作品群と違うのは、演技がうまい(ストレスなく普通に観られるレベル)ことと、照明…

『ジュラシック・ワールド 炎の王国』 ☆☆★『ジュラシック・パーク』『ジュラシック・パーク2 ロスト・ワールド』などのオマージュ(本歌取り?)に、『ランペイジ』みたいな内容、ハリウッドプロデューサー的な安っぽいドラマなど、全くワクワクドキドキす…

『八つ墓村』 ☆☆☆市川崑。前作の石田浩二と異なり、金田一役はトヨエツ。これがなんだかなあ・・・。 顔が好きじゃないのは個人的な問題だからいいとしても、演技も下手なコロンボみたいでいただけない。そのくせ、無駄に疾走するし。 全体的に、舞台的に照…

デーモン・インサイド

☆☆☆★原題は全く違い、直訳すると、『彼女が生きる理由』? あらすじからネタバレだが、要するにサイコパス&脱出&マンハントもの。 カナダ映画であり、レズビアン夫婦の片方がサイコパスだった、というのが類作とは違うポイント。 別荘の池の向かいのお隣さ…

メメント

☆☆☆☆これが『ダークナイト』『インセプション』『インターステラー』のノーラン監督? と思ったくらい雰囲気が違う。もちろん予算の違いもあるんだろうけど。妻との思い出、という意味では『インセプション』に通じるものはあるが……。 10分しか記憶を保て…

モサド 暗躍と抗争の60年史

小谷賢 ☆☆☆☆ 新潮社イスラエルには、首相直轄のCIA的なモサド、軍の情報部アマンをツートップとして、複数の情報機関がある。 本書は、歴代の長官の経歴を主眼に、モサドを組織論の視点から語ったもの。 だいたい80年くらいまでは、活躍していて、しかも…

人間じゃない

綾辻行人 ☆☆☆★単行本未収録短編集。アシモフほどではないが、各作品の「前に」作者自身による簡単な解説解説ついているのがありがたい。収録も発表順。『赤いマント』☆☆★ 作者が普通のミステリーと書いている通り。トイレの花子さん的な怪談に則った、トイ…

吸血姫美夕 朔(6)

垣野内成美 ☆☆☆★ 秋田書店前巻でテレビシリーズのキャラ・千里が出てきたので、彼女と美夕の確執が描かれるのかと思いきや、それはさわり程度。 (通りを歩いている時点で違うのは分かってるけど、ビジュアル的に)座敷童子みたいな妖怪。その実体は神魔の…

数学ガール 秘密のノート   統計

☆☆☆★統計やグラフから分かることと誤解しやすい読み解くための注意点、偏差値の何たるが、平均、分布、偏差などを経て分かるようになっている。 ただ、確率に関しては周りくどかったなぁ……。コインの裏表の出る確率が2分の1、という常識を導き出すのに10…

勝ち残る! 「腹力」トレーニング

小西浩文 ☆☆☆☆ 講談社+α新書著者はエベレストに無酸素登頂するバリバリの登山家。 著者が実践している食生活、トレーニング、心の持ちようを紹介した本。 内容的には、以前読んだ整体師の本によく似ている。腹力というくらいだから腹式呼吸は言うまでもな…

007 スカイフォール

☆☆☆☆シリーズは殆ど見たことがないが、メタ的なシリーズへの自己言及的な作品であることは伺い知れる。作中世界の住人として明らかに不自然なセリフやアイテムが多いし。 とにかく色彩も構図も、編集テンポも含め画面が綺麗なので、2時間半超えの大作だが…

9 9番目の奇妙な人形

☆☆☆★短編の人形アニメを長編CGアニメにしたものらしい。 確かに、麻布でできた人形なのてま、それがリップシンクとかしてるもんだから、CGだと歪むのだ。そこは、歪まないような細やかなレンダリングとか、完全に人形アニメかにしてほしかった。 ストーリー…

江戸の天災数学者 世界を驚かせた和算家たち

鳴海風 ☆☆☆☆ 新潮社有名な『塵劫記』に始まる江戸の和算ブームや、各地に残る算額。昔の日本の数学事情はどんなのだったのか、江戸時代の8人の数学者の列伝。いずれおとらぬ、風雲児たちであった。中でも、感銘を受けたのが山口和(かず)である。 「三回目…

貧乏まんが

☆☆☆★ ちくま文庫貧乏マンガばかりを集めたアンソロジー。今まで読んだことのない名作を知ることができるのがこういう本の良いところ。 テーマがテーマなので、面白いものから、さっぱりわからないものまで色々。わからないというのは、共感できるできないで…

タンク・ソルジャー 重戦車KV−1

☆☆☆★本物のソ連戦車がほぼ全編出ずっぱり。それだけでもミリオタ必見の映画である。 主役は邦題通りKV−1(増加装甲つき)だが、T−35/82もそれに負けないくらい出てくる。『ガンダム 哀・戦士編』で例えると、グフがKVで、ザクがT−35のポジショ…

『犬神家の一族』 ☆☆☆市川崑作品ということで観た。 確かに春日太一が解説していたように、障子のさんや日本家屋の柱などの四角がめちゃくちゃ目に入ってきた。 また、殺人シーンで突然ハイコントラストのモノクロ映像になる、とかの処理も面白かった。 一度…

陪審裁判を考える

『陪審裁判を考える 法廷に見る日米文化比較』丸田隆 ☆☆☆ 中公新書八十年代に出た本。 実際にアメリカの陪審裁判を体験・取材した著者が、日本とアメリカの裁判の差異を論じたもの。 当然、当時の裁判だけでなく、戦前の日本の陪審裁判についても論じている…

鳥の歌いまは絶え

ケイト・ウィルヘルム著/酒匂真理子訳 ☆☆ 創元SF文庫漢字まじりなのに、今回読むまで『鳥の歌いま歌え』だと思ってた(^^;)特に核戦争もないのに、子供がそだたず、クローン技術によって子孫を残そう、という話。 そもそも、その設定じたいも分かりづらいし…

究極のモチベーション

見波利幸『究極のモチベーション』を読む印象に残ったところ「シャインの8つのキャリア・アンカー □専門重視 □経営重視 □自律重視 □安定重視 □起業・創造重視 □社会貢献重視 □チャレンジ重視 □ライフスタイル重視 」

艦船模型製作の教科書

☆☆☆☆ ホビージャパン教科書を謳うだけあって、雑誌や類書では解説されていない基本的な技法について紹介してくれたている良書。 例えば、極小パーツの成形、エッチングパーツの扱いなど。 毎回失敗している初心者としては、プラ製小パーツの接着についての…

エンデンジャード・トリック

門前典之 ☆☆☆ 南雲堂タイトルの意味としては『絶滅危惧トリック』とでもなるらしい。 蜘蛛手シリーズだが、今回は『建築屍材』の直系とい感じで、建築、というより建設探偵シリーズとも言うべき、実際に建てる時に必要なうんちくが色々登場する。 舞台は伝…

ビザンチウム

☆☆☆★耽美系ホラー。 吸血鬼ものだが、男社会だった吸血鬼結社に、事故的に紛れ込んだ主人公の母親。結社から追放された彼女は、悲しみから、孤児院にいた娘を吸血鬼にする。 その後は、水商売で200年もの年月をやりくりしてきた、ある意味では、バイタリ…