思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『パラレルワールド』

小林泰三 ☆☆☆★ 角川春樹事務所昨年の関東豪雨(但し、執筆&刊行は本作のほうが先)や、東日本大震災を想起させる災害を気に、夫と妻が別の世界を生きるようになった。お互いに、相手が死んだ世界だが、一人息子だけは、父母どちらの姿をも見聞きすることが…

『EVE/イヴ』

☆☆★80年代(?)のB級アクション。どっちが先か分からないが、ほぼ女版『ターミネーター』である。作中ではロボットと言っているが、人工筋肉や血管もあるので、SFの定義では、人造人間だろう。 主人公の女科学者をモデルにした、そっくりなアンドロイド…

『T−34 ナチスが恐れた最強戦車』

☆☆☆☆『T−34 レジェンド・オブ・ウォー』公開記念かつそのための予習(いつ観られるか不明だが(^^;))として観た。 冒頭のアヴァン・タイトル。戦場でやられたソ連戦車を前に、新型戦車の必要性を説く軍人。そこからの戦車の図面をバッグにしたオープニング…

『パルプ・フィクション』

  ☆☆☆★80年代かと思うくらい古臭い画面だが、94年だとか(´Д`) 脚本の厚さが普通の映画の倍くらいあるんじゃないかと、どうでもいい心配をしてしまうくらい、どうでもいい会話が延々と続く。 それでも早送りせずに観てしまう理由は二つある。1つは、凝…

『こなもん屋馬子 大阪グルメ総選挙』

田中啓文 ☆☆☆☆ 実業之日本社文庫連作短編集。田中作品の看板キャラ(?)蘇我屋馬子が探偵役(?)を務めるシリーズなのだが、いつもとちょっと様子が違う。マスコットや役のイルカの出番が極端に少ないのはいいとして、どの探偵も、主人公が大阪市長だとい…

『局地型ガンダム』

今月の『ガンダムエース』の解説が面白い。 換装図を見ていてふと気がついたのだが、これってもしかしてセミ・アーマード・ガンダムでは?? 『プラモ狂四郎』で、小田さんが四郎に、パーフェクトガンダム2のヒントとして作ったプラモ。 誰指摘する人がい…

『風雲児たち(33)』

☆☆☆☆前の巻の予告であった通り、暗殺、テロの連続。歴史から抹殺された薩摩による京都の役人暗殺事件には注目だし、なぜ会津の松平容保は京都守護職を引き受けたのか、長年の疑問も分かった。

『歴史「謎」物語』

井沢元彦 ☆☆☆☆ 廣済堂文庫95年に単行本化された歴史エッセイ集。『逆説の日本史』の前、小説家時代に書かれたようにも思える。あとがきに、「現在では変わった自説もあるが、そのままにしてある」とあるので。 面白かったのは、水戸黄門漫遊記の仕掛け人が…

『会社で働く苦しみをなくすシンプル思考』

小倉広 ☆☆☆☆★ 幻冬舎「○「欲」を減らす ○「現実」を肯定する ○「ギャップ」を受け容れる」「「会社」で働きながら「欲」をなくすのは不可能である(略)「会社」とは「欲」を生み出し、あおる装置だからだ。」「助言を求められたときは、気をつけたほうがい…

『青き鋼のアルペジオ(11)』

☆☆☆☆北米艦隊が登場、ゾルタンと戦いを始める。なかなかにスケールが大きくなってきたが、これは当初から考えられていたのか、人気が出たからインフレ・水増しした結果なのか、どっちだろう……? 空母レキシントンのキャラは、藤崎竜っぽいなぁ……(^^;)

吸血姫美夕 朔5巻

☆☆☆★ 美夕の出番は少なめだったけど、西洋神魔編とテレビシリーズがクロスオーバーして、なんか(良いから意味で)くらくらした(^^;) あとがきによれば、次巻はなんと美夕の両親のエピソードが! 今回1コマほど出たけど、美夕のお母さんがまた綺麗なんだわ(*…

『スクランブル 復讐の戦闘機(フランカー)(下)』

夏見正隆 ☆☆☆☆ 徳間文庫まずは巻末の書き下ろし、月刀の少年、というより青年時代を描いた番外編は、国防とは何の関係もない、アイドルもの。テレビ業界の闇が、現在の安全保障上のネックになっている、というリンクもないので、小説全般が好きな人でない限…

『死霊館』

☆☆☆★Jホラープラス『エクソシスト』という感じ。この通りの順番で、前半は特に悪いことをやったわけでもない家族が引っ越した館で起こる怪奇現象を描き、後半は、男女の怪奇現象研究者が悪霊と対決する。 前半は怖いが、後半になるとその現象が露骨・過激…

『青き鋼のアルペジオ(9)』

イオナたちの人間体というか、iDを捏造して潜入するあたりがポイント?

『青き鋼のアルペジオ(10)』

群像の戦いを続ける意図、コンゴウの旗艦装備(エヴァっぽい)など、相変わらず次々とガジェットが投入される。 連載休止時の穴埋め企画なのかどうか知らないが、霧の艦隊の各パーソナルマーク一覧が載っている。マークはともかく、これが登場キャラ一覧と…

『処刑人』

☆☆☆★2人組の殺し屋が活躍するノワール。彼らが教会に通い、あくまでもマフィアたちを殺すのだが、はっきり言って色んな意味でやりすぎ(^^;) 長めのセリフ、血塗れ、バイオレンス演出は、実にタランティーノっぽい。ストーリーの都合上、当たってほしい弾は…

『新少林寺』

☆☆☆★類似商品が山ほどあるジャンルなので、挙げるのも野暮だが、私的には『新・少林寺伝説』やテレビシリーズ『新少林寺』、特に後者と勘違いしていた。 アンディ・ラウが主演。ウー・ジンが本格カンフー担当で、香港カンフー映画では定番の、怪人的な敵役に…

『スクランブル 復讐の戦闘機(フランカー)(上)』

夏見正隆 ☆☆☆☆★ 徳間文庫てっきり前に読んだ本みたいな、自衛隊パイロットの活躍する話かと思っていたら、冒頭こそそうであるものの、中盤以降は飛行機の出番はない。(ちなみに、本作は旧題『僕はイーグル(3)』とあるように、3作目だが、未読でもなんと…

『ゴジラ怪獣惑星』追記

音楽は服部隆之。『スペゴジ』の人だが、微妙に画面に合っていない気がした。もっとロック系か、ダークホラー系にした方が良かったと思う。

『エルガイム』

本放送を観ていなかったので、観てみたかったのだが、全然機会がなく、ようやく観れた。 どうしてもビジュアル的に、『ファイブスター物語』の原型のイメージがまとわりつくが、100パーセント富野アニメだった。 具体的には、(『Z』の前だったと思うが)『…

『極上の罠をあなたに』

深木章子 ☆☆☆☆ 角川書店別名をつけるなら、『便利屋』となる、連作短編集。便利屋に絡む、後ろ暗いことことのある人間模様と、便利屋の正体とは? 『奇跡屋』をはじめ、いろいろな類似作が思い浮かぶが、それらに比べ、勝るとも劣らない佳作。以下、ネタバレ…

『ゴジラ 怪獣惑星』

☆☆☆★悪くはないが、全体的に、画面が暗い。 地球がゴジラによって住めなくなり、恒星間宇宙船で旅立ったのに、地球に戻ってみると、1万年以上が経過し、地球はジャングルに。予告を見た時は、てっきり旅立った先にゴジラがいる、という設定だと思ったのに。 …

『スターシップ・トゥルーパーズ3』 ☆☆☆★再見。というより、中盤、惑星に不時着したところで、ようやく観たことがある場面だな・・・、何だっけ・・・? と思ったら、これ観たことあるやん、と気がついた次第(^_^;)どうも観たことあるけど、『1』の繰り返…

『碆霊の如き祀るもの』

三津田信三 ☆☆☆★ 原書房久しぶりに読んだこともあるのかもしれないが、「あれ? もっと骨太で面白いシリーズだったのに……?」というのが最初から最後までの印象。 まず、主人公とは何の関係もない、怪談を四つ読まされるのがキツイ。それだけで100ページ以…

『魔偶の如き齎すもの』三津田信三 ☆☆☆☆ 講談社『妖服の如き切るもの』☆☆☆★ 元々大きな屋敷だったものを、中庭を売り払ったために2軒を隔てて2つの屋敷が離れた、という位置関係の設定が面白いのだが、要は連続殺人事件のアリバイトリックもの。よく似た設…

『カプリコン1』

☆☆★確かに、導入は凄く魅力的。発射直前、数分前の有人火星探査ロケットから、宇宙飛行士3人全員が連れ出されるのだ。その後、ロケットは何事もなく発射される。要するに、「アポロ11号は月に行かなかった」説の、火星探査版である。 最初は理屈で説得しよ…

『フォーガットン』 ☆☆☆☆☆ よく悪くもヘンな映画だ。 まず、ジャンルが何か分からない。これは良い意味。 最初は、子供をなくした母親が立ち直る話かと思いきや、子供の写真やビデオが消えて行くが、周囲の人間が認識していない、というヘンな状況。 そして…

『チョコレート・ファイター』

☆☆☆☆久しぶりに再見。アクションシーン中心に観たが、改めて、その凄さを実感した。 やっていることは、ジャッキー映画を『S P L』的なストロングスタイルで作ったらこうなる、というんだけど、とにかく無謀なアクションの連続。何しろ、ジャッキー映画では…

『8 1/2』 ☆☆町山さんが『エヴァ』を解説する際に何度となく出てきた本作。奇妙なタイトルと、巨匠と呼ばれるフェリーニの勉強、という観点で観てみた。なお、タイトルの方はウィキによると共同監督作品を1/2とし、フェリーニの9つ目の映画、という…

『天帝のはしたなき果実』

古野まほろ ☆☆☆★ 幻冬舎文庫難癖かもしれないが、東京大学卒で、リヨン大学とか、の覆面作家って……、経歴詐称というより、このプロフィールも含めてフィクションじゃないの? どうでもいいけど。 すぐ分かるのが、『黒死館』と『虚無への供物』そして『月光…