思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『ガンダムホビーライフ(13)』 ☆☆☆今回はハズレやなぁ……いつもの立ち読み可能な書店では売り切れだったので、ビニ本で買ったのだが、立ち読みできていれば買わなかったレベル。 『ビルド』シリーズ系作例が好きではないのと、個人的にはメインコーナーとも言…

『なぜ蚊は人を襲うのか』嘉糠洋陸 ☆☆☆★ 岩波書店あとがきによれば、類書との重複を避けるため、蚊に刺されない方法などは敢えて省いたとのこと。そっちが知りたかったのになぁ……。もちろん、少しは載っているが。 本書では、生物学的な蚊の特徴と、それを研…

『化石少女』摩耶雄嵩 ☆☆☆☆ 徳間書店化石オタクの女子高生まりあが、廃部の危機を乗り越えるため、校内で起こる(連続)(殺人)事件の謎に挑む。主人公は、彼女の幼なじみで、1学年下の男子。家同士の家柄の違いから、お目付け役として古生物部に入る破目…

『硝子の探偵と消えた白バイ』小島正樹 ☆☆☆★「スケールの大きなトリックとどんでん返しを得意とする作者」だが、本作は『介護探偵』路線の地味な(新)本格。 見た目だけでも充分薄いが、内容的にも、量産ミステリー作家か、高木明光あたりの時代の長編、現…

『アルテミス(下)』 ☆☆☆★下巻はモロに山田正紀の初期冒険小説を思わせる、素人による不可能ミッションもの。 上巻で未達成に終わった、アルミニウム工場の破壊テロの完遂に再度挑む。 ……と書くと、犯罪小説みたいだが、主人公の性格があっけらかんとしてい…

『アルテミス(上)』アンディ・ウィアー著/小野田和子訳 ☆☆☆★どことなく『火星縦断』を思わせる、月面都市を舞台にしたハードSF。 前作と異なり、仕事に悩む若い女性が主人公。 そんな彼女の日常を描くことで、月面都市のディテールを詳細に描く話か……と思…

『エクソシスト2』 ☆☆高橋ヨシキ&宇多丸コンビが「良い2ですね」と言っていたので期待していたのだが、期待外れ。 まるで『リング2』みたい。 『1』が精神分裂・心霊映画だとすると、本作はバカにした感じの意味でのオカルト映画なのだ。 いきなり科学的根…

『一万三千人の容疑者』☆☆☆★てっきり西村京太郎原作かと思ったら、全然違った。何しろ白黒映画だしね。むしろパクったのは西村京太郎のほうか。 名前だけは知っている「吉則ちゃん誘拐事件」を元にしたもの。名前だけは明彦に変えられているが。 音楽は伊福…

『あぶない叔父さん』摩耶雄嵩 ☆☆☆★北陸の田舎の高校生である主人公が巻き込まれる事件を描く連作短編集。 一見地味だが、作者らしい意地悪さが随所に垣間見える。どこがどうと(ネタバレなしでは)はいいづらいのだが……。 多少気になったのは、高校生らしく…

『グエムル 漢江の怪物』☆☆☆★韓国の怪獣映画だと聞いて(思って)いたのだが、完全にモンスター映画だった。 個人的に、みなもと太郎のマンガ『風雲児たち』内のギャグ「たいくつ(鯛が靴を履いている絵)」を連想した怪物。クトゥルフも入っているかな。ち…

奥田浩美『会社を辞めないという選択 会社員として戦略的に生きていく』を読む印象に残ったところ「会社(略)ビジョンとは、自分たちがどういう世界をつくっていきたいか、そのためには何が必要なのかを示すもの」「配属された部署によっては、何のためにや…

『くらべる日本 東西南北』文:おかべたかし/写真:山出高士 ☆☆☆ 東京書籍ダブルたかし(勝手に命名)による、フォトエッセイに近いご当地ネタバラエティ。 いちいち取材元の情報を載せているあたりが情報誌っぽい。 「電車のつり革の形には、関西には丸(円…

『なぜ正直者は得をするのか 「損」と「得」のジレンマ』藤井聡 ☆☆☆★ 幻冬舎新書言いたいことは分かるのだが、商売の心得や、道徳・公共心の大切さだけを書いた本ではなく、非科学的な学問分野である(別にけなしているわけではなく、理系ではなく文系、とい…

『星系出雲の兵站(1)』 ☆☆☆☆★「このスパイ衛星のコンポーネントに、我々が活用しているようなものはほとんどありません。ネジさえこの衛星には見当たらない。 にもかかわらず、我々は、つまり人類は、その機能や原理を解析できる。言い換えれば、見慣れな…

『この世界の片隅に』☆☆☆★再見したのだが、名作だと感じた、劇場での初見時にはプラス評価だった点が、ことごとくノイズ要因に感じられたのが興味深かった。 のんの声優演技、広島弁のイントネーションの違和感、作者独特の首を斜め下に傾げる動作の(悪い意…

『スタート!』中山七里 ☆☆☆☆ 光文社プロの映画製作の経過を追い、様々なトラブルがある、というのは『クランクイン』と全く同じ。『探偵映画』みたいな要素もあるが、まんま『クランクイン』である。 大きな違いは、映画原作が読者によく分かること。このて…

『銀幕のメッセージ 女子大生 桜川東子の推理』 ☆☆★ダイイング・メッセージものを集めた中編集。 基本的にはギャグや軽い会話劇の、ライトノベル(ライトミステリー)。 本格というより、グダグダとボケとツッコミ、蘊蓄を並べて、頃合いになったら、真相な…