思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『王国は誰のもの』 ☆☆★ 吸血鬼や狼男などが当時するSFミステリー。この現代日本において、日常と隣り合わせでそれらがいる城に行く、というリアリティ的にかなり際どい設定だ。 トリック的にも、ファンタジー世界が舞台でも当然、というタイプなのに、なぜ…

『マッドマックス2』 ☆☆☆★いきなり良くなった。 中途半端に文明というか、現代と地続き(つまりは手近で撮影したであろう低予算)感があった『1』だったが、本作は舞台はほぼ砂漠のみ。近代建築はほぼ登場しない。 ストーリーは、砂漠で石油を掘る施設を占…

『ファイブスター物語(7)』 ☆☆☆☆前半はタイマンMH戦、後半は超人ではない、軍隊同士の戦争が描かれる。 前半、永野メカとしてはアパッチは下から数えた方が早いダサダサ、オージェは逆にトップクラスの素晴らしいデザインの対決。双方ともに別種のハンデが…

『モデルグラフィックス 2017年9月号』GSIクレオス特集。メインは塗料とその周辺だが、社史はもちろん、輸入キットから工具まで網羅。君はノンブルがMr.カラーの番号順に違っていることに気がついたか? グンゼ産業から社名変更したのが、思っていたより最近…

『アーマーモデリング 2016年4月号』 ☆☆☆「継続戦争」特集。『ガルパン劇場版』の登場がなければ絶対になかったマイナー特集。 歴史的背景はばっちり解説されているので、勉強にもなる。 ほぼ全てがソ連のろかく車両で、フィンランドで施された増加装甲と迷…

『ファイブスター物語(9)』 ☆☆☆☆☆久し振りに再読してみたら、メチャクチャ面白いではないか。 まず、デザイン的に面白い。星団歴以前では、ドラゴンなどの永野流ファンタジー生物が。そしてスタント遊星に属する超帝国のデザインが凄い。十字架型の宇宙船…

『重機動戦線メカノイド』 ☆予備知識なしで、タイトルからは『ロボジョックス』みたいなSF?かと思いきや、C級宇宙人侵略SFだった。 それもそのはずというか、原題は「INVADER」。ロボット要素は、最後に宇宙人がUFOを頭部にして合体するロボットしかない。 …

『ガンダム・センチネル』 ☆☆☆☆★何回読んでも(面白いというより)凄い。 『UC』や『ガイア・ギア』を読んだ後で改めてみても、それらを上回るハードSFにしてミリタリーSF、そしてメカSFであり、ガンダムであるのだ。 幕末の歴史を知っていると、ストーリ…

『賭ケグルイ(7)』 ☆☆☆☆★生徒会総選挙が開始。どこにいたんだよ!? という百喰一族が登場して選挙に参加するあたり、『男塾』ばりの強引な展開。 今回のギャンブルは、ギロチンに指を入れて、20本の紐を一本ずつ切って行くというシンプルなもの。それを、顔芸…

『午前三時のサヨナラ・ゲーム』 ☆☆★本格ミステリの俊英の新作小説だが、本格っぽさはかけらもない。東野圭吾の『超・殺人事件』みたいなバカ小説である。 野球をテーマに、純小説から、筒井康隆のようなブラックユーモアまであるが、ほとんどは後者である(^…

『ビックリするほど素粒子がわかる本』江尻宏泰 ☆☆☆☆新書だし、入門書っぽい体裁だと甘く見ていたらとんでもない。そのへんのハードカバー本よりもよほど詳しいし、図解雑学シリーズばりに図が多用されているので、分かりやすい。 本書を読んだ目的である、…

乾くるみらしからぬ、日常の謎系の短編集。ブラックな要素も、凝った構成もない。 ただし、本書を読むと、不動産を借りるのに躊躇するのはもちろん、買ったり所有する気がなくなることは請け合い(^_^;)物件探偵乾 くるみ 新潮社 2017-02-22『内向型のための…

『アーマーモデリング 2017年8月号』 ☆☆☆★素材別の加工・塗装法特集。以前の「錆び」特集などと同じく、新作もあるが、ほとんどは再掲載・二番煎じもの。 ただし、錆びのウェザリングは施さない人もいるが、木や布は全てのAFVモデラーが避けて通れない。テク…

『虚実妖怪百物語(急)』 ☆☆☆☆★相変わらず馬鹿会話が水増ししていて、それがなければ一冊で終わるプロットである。 しかし、それこそがメインストーリーと密接に関連しているのだ。このへんは『うぶめの夏』や『エンディミオン』二部作とも通じる。 クライ…

『虚実妖怪百物語(破)』 ☆☆☆☆のっけから、京極堂ならぬ京極夏彦が登場し、謎と不思議について、『うぶめの夏』序盤の京極堂よろしく鮮やかな解説を行う。 その後は、またグダグダの身内会話。何をするにしても、あらゆる可能性を検討する、それだけなら本…

『MaKモデリングブック2』 ☆☆☆☆例によって、デザインとか、ドブ色の色彩は好きになれないが工具・塗料などのツールの活用法、塗装理論などは、非常に勉強になる。さすがは美術系で、現役の教師(といっても大学だけど)だけある。あちこちに散りばめられた、…

『コロンビア・ゼロ』 ☆☆☆☆「航空宇宙軍」シリーズ待望の続編。舞台を四十年後にした、第二次宇宙大戦的な話になりそう。 一見関係がなさそうな太陽系各地を舞台にした短編が、ラストの表題作で結びついて開戦となる。各短編が、開戦への技術的要素をそれぞ…

『藁の楯』 ☆☆☆☆ 幼女連続殺人犯に10億円の懸賞金をかけたら、ヤクザは言うまでもなく、一般人はもちろん、警察官まで、誰もかれもが容疑者の命を狙うようになった。九州で出頭した被疑者を護送するSPが主人公。 もっとも気になったのは、リアリティに欠け…