思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『砂漠の獅子』中里融司+かたやままこと ☆☆☆★あとがきによると、原作の中里氏は、最終話の作画完成前に急折されたんやね……。これまでの作品ではタッグを組んでいたのに、次の連載『シェイファー・ハウンド』では別の原作者なので、あれ?と思ってたんだよな…

『残照』辻真先 ☆☆☆驚天動地のトリックはないが、スナック「蟻巣」が看板となれば、『アリスの国の殺人』からの(出版当時からでなないのだが)ファンとしては、読まない訳には行かない。 ここ十年くらいの単発辻作品と同じく、過去の殺人を現在推理するスタ…

雑誌「アーマーモデリング」を中心に、「モデルグラフィックス」のものも加えた、プラモに関するイラストエッセイ。考えたら、このテのは、女性が得意で、男性はあまりないような……。 基本的には戦車プラモに関するもの。 ちょくちょく自虐ネタで「バカ」と…

佐藤等『ドラッカーを読んだら会社が変わった!』を読む印象に残ったところ「真に削減すべき対象は、コストではなく活動です。 何であれ企業が活動すれば、必ず経営資源を消費し、コストがかかります。(略)問題は使い方です。」「イノベーションに、新しさ…

『リング2』 補足貞子の超能力=怨念を科学的に分析、除去しようとするのだが、その科学というのがトンデモなのが笑えるところ。 水が人間の意識(念)に反応する、というのがそれ。『水は答えを知っている』だっけ?せめてSF的に納得できる設定を構築して…

私と同い年の『こち亀』完結。1巻から100数巻まで持っている身としては、ご祝儀的にも買わなければならない、ということで購入。 80巻ぶりくらいに買ってみると、表紙を始め、なんかパチモンみたいな絵だ(^_^;) 女性比率が高まったのも特徴だが、この…

『銀河英雄伝説(2)』藤崎竜 ☆☆☆☆初の任地である雪の惑星での戦い。偵察任務で遭遇する敵の他に、ラインハルトを陥れようとした味方とも戦うことになる。 全く記憶にないが、敵との作戦も原作通り?? 大きなコマの連発も、初見ではムダ使いだが、再読や、…

『竜巻のふしぎ』森田正光&森さやか ☆☆☆★「部分的に扱っているものを除くと、竜巻を主題にした一般書は、私の知る限りこの40年間で一冊も出版されていません」「竜巻はがれきや砂ぼこりからできていると思っている人もいるかもしれませんが、実は雲の塊から…

『人工知能』ジェイムズ・バラット著/水谷淳 ☆☆☆★細かく多方面の取材を紹介するため重複が多く、最初の1、2章を読めば充分だった。 訳者あとがきを読むと、もうひとつピント外れなSF的思弁など、翻訳者にも信用性を疑問符がつくような……。意外と、超人工…

イメージしてたのと違ったから評価が低いのかなぁ…。 権力志向の老中からの無理難題(『忠臣蔵』の浅野内匠頭を連想させる)で、北関東に帰ってきたばかりなのに再び江戸へ参勤するように上意が降った。 出頭するなら責任者だけ良いと思うのだが、少なくとも…

同時期にモロかぶりした映画として話題になった、十分トンデモだと思っていた『ホワイトハウス・ダウン』より、さらにトンデモなバカ映画。 あちらの敵がイスラム系だったのに対し、本作は北朝鮮。 韓国の大統領との会談のためにやってきた一団が、大統領以…

辻信一『弱虫でいいんだよ』を読む「強い」「弱い」という概念について、ナマケモノの生態を皮切りに、進化論的に啓蒙した思春期の青年向けの哲学書。ひとことで言えば 「何を基準にするかで、どちらが「上」で、どちらが「下」か、が変わってくる。同じよう…

『銀河英雄伝説(3)』藤崎竜 ☆☆☆☆イゼルローン攻略戦。艦隊戦に入ってようやく文句なしに面白くなってきた。いろんな艦長などが登場するので、作者ならではのケレン味たっぷりの(ヘンな)キャラ造形が活きている。 宇宙のくせに「回廊」なるヘンな設定上の…

『オールユーニードイズキル』☆☆☆★原作を読んでいないのが手落ちだが、小畑健のコミック版と比べてみる。 このてのデスゲーム、タイムスリップものでは、似て非なる展開が繰り返されるのを、どう視聴者に飽きさせずに演出するかがポイントになる。本作は、そ…

井手直行『よなよなビールがお世話になります』を読む口述筆記というか、インタビューを元にした自伝的内容。ビジネス成功法としての中身は4割くらい。もちろん、その人のメンタリティと、失敗や悪戦苦闘の中にこそ、ヒントが隠されているものですが……。印…

『倒叙の四季』 ☆☆☆☆専門書を読み込んで周到に計画し、さらには『完全犯罪完全指南書』なるネット上の闇ファイルを購入した殺人者たちの犯罪を描く連作短編集。副題を『完全犯罪完全指南書』にしても良いくらいだ。本書のエピローグには、4作通してのしかけ…

『失われた過去と未来の犯罪』小林泰三 ☆☆☆★ 角川書店事前情報がない場合、その作品がSFなのかミステリなのか、どうやって判断(予想)するのか。たいていの作家は一つのジャンルをメインに書いているので、作家で判断できるであろう。 ところが、それが通用…