思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『神器 軍艦「橿原」殺人事件』 ☆☆危惧はしていたが、やはりミステリーとしても、SFとしてもなってない作品。幻想文学というか、純文学。埴谷『死霊』(これもちゃんと読むべきかもなぁ……)がいちばん近いかも。 ミステリーとしては、最後に新興宗教にすべて…

『神器 軍艦「橿原」殺人事件(上)』奥泉光 ☆☆☆★タイトルからも、読んでいる最中の雰囲気からも『ミステリ・オペラ』っぽい。狂言回しとして、黙き一郎のような由井なる人物も出てくるし。 軽巡洋艦「橿原」の船底にある第5倉庫で起こった連続怪死&人間消…

『激闘の日本史 幕末動乱と危機管理』井沢元彦 ☆☆☆☆このシリーズは、新刊を買うなりしないと、読んだかどうか分からなくなるのが困るなぁ……。 「今はイギリスの代表も国王というが、これはkingという英語を日本語に訳す際にこの言葉を用いてしまったためで、…

追記映画づくりのディテールについては、ADの大変さから、カチンコの使い方、編集のやり方まで、非常に詳しい(気がする)。 ただ、CGとか合成とか、素人がそうそう使える技術か……?(見るに耐えられるものができるか?という意味で) 『ぼくらの映画のつく…

再読。 どうしても『名探偵の掟』と比較してしまう内容だが、メタっぷり(登場人物が、作中の役割を離れて、読者に語りかける)が弱いのが残念。ただ、読み返してみると、そういうシーンも意外と多かったことに気づいたが。大癋見(おおべしみ)警部の事件簿深…

『乙女戦争(6)』 ☆☆☆★冬の戦い。トルコとモンゴルじんの混血のようなクマン奇兵隊が参戦し、多くの少女たちが捕虜(こういうのを性奴隷というのだ)に取られた。 ジシュカも敵の皇后を捕虜雨にするも、味方から逸れる、という絶体絶命の状況。 しかし、ジ…

『ガールズ&パンツァー劇場版』 修正「センチュリオン」→「チャーチル」 『シェイファー・ハウンド(7)』 ☆☆☆★今度は潜水艦で、日本のイ号とUボートが共演する。ただし、飛行機編と違って、それほどの面白さはない。『沈黙の艦隊』とかであらゆるパター…

『ガールズ&パンツァー劇場版』 ☆☆☆☆テレビシリーズは再放送でさらっと見たが、当時はあまりのリアリティのない設定に白けてしまった。 ところが、劇場版のあまりの評判の高さ(特に模型業界)に、ブルーレイを買ってしまった。DVDでも通常版でもなく、特典…

『京極夏彦・超絶ミステリの世界』 ☆☆☆☆再読。というより、ガイドブックなので、感想文書いてないだけで何回も読んでます。 今回は、久々に『絡新婦の理』を苦労して再読したのを機に改めて。 ガイドブックとしては質、量ともに充実したもの。ただ、ネタバレ…

『シェイファー・ハウンド(6)』 ☆☆☆☆なんと主人公が女性パイロットに変更? いや、シェイファー・ハウンド部隊は中盤に(ゲスト的に)登場する。これはテコ入れに間違いないが、良いテコ入れだ。 戦闘機パイロットの増長と挫折、本物への生まれ変わりが描…

圧巻ともいうべきなのか、80年代までの全ファミコンソフトのゲームについてのレビュー。しかもこれをたった一人に書かせて(押し付けて?)いるのだ。ソフト取集は研究家に任せても、レビューくらいは分担してもよかったのでは?まあ、評価基準が一定にな…

井上功『なぜエリート社員がリーダーになると、イノベーションは失敗するのか』タイトルとは異なり、内容は『企業がイノベーションを成し遂げるには、どうすれば良いか』というもの。 「経営者を根負けさせることが、イノベーターには必読なのです。イノベー…

『時宗(4)』 ☆☆☆★神風という名前は一字もない。考えてみれば当たり前で、命懸けで国を守った武士たちが主人公なのだから。この巻では一切登場しない朝廷内ではどうか分からなかっただろうが……(そもそも後世の後付けだと思うし)。 「たとえ嵐がなくとも…

『大東亜解放戦争(下)』 ☆☆☆☆★ 「居留民保護のため中国側と了解を遂げた上で(略)広安門を通過中の(略)第二大隊(略)が、(略)支那軍より乱射を浴びた広安門事件が発生。日本軍は二度に渡って中国軍の騙し討ちに遭ったのである。我が日本軍は三週間に…

『大東亜解放戦争(上)』岩間弘 ☆☆☆☆☆ 創栄出版全日本人必読の書。高校の歴史は、古代史〜江戸時代までをすべて捨てて、これのみを三年かけて教えても良いくらいである。 ただし、中村粲『大東亜戦争への道』と勝岡寛次『抹殺された大東亜戦争』の引用がや…