思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『華岡清州の妻』 ☆☆☆華岡清州についてしりたかったが、図書館には子供向け伝奇マンガを除くと、これしかなかった。 小説としては、一見美しく理想的に見える裏側に潜む嫁姑問題を描いているだけ。まあ、そここそが女流文学らしいところだろう。 華岡清州の…

『ソロモンの偽証 後篇・裁判』☆☆☆ ヒューマンドラマというか、テレビの2時間ドラマとしてなら妥当なレベルだと思うが、前後編の映画としては、ドンデン返しが弱いと思う。 何より、自殺した柏木が、徹底的に偽善を憎んだ結果、純粋すぎるがゆえに自殺した…

『アケルダマ』 ☆☆☆★解説にあるように、作者の『蝿の王』以来の伝奇大作。ジュヴナイルということだが、主人公が女子高生という以外に、内容的な手加減は感じられない(カバーは明らかにジュヴナイルのそれだが)。 イエス・キリストの復活というネタゆえ、…

和歌山県の歴史 (1970年) (県史シリーズ〈30〉)安藤 精一 山川出版社 1970

当然ながら、謎は一切明かされないわけで、どうこう言えるものではないが……。 とりあえず最大の容疑者である大野(?)に、告発状を書いた樹里、その共犯であった松子は自業自得事故死。主要登場人物のそれぞれに偽善というか、腹に一物あるように描かれてい…

これまで読んだ中では最も完成度の高い作品が詰まった1冊。表紙からはわからないが、本編ではほとんど名前しか出てこなった「モーロック」編も収録されているのだ。 特にマンハッタン編は、絵の完成度が古今東西のマンガの中でも最高峰で、ほぼアール・ヌー…

『虚飾の経営者稲盛和夫』 ☆☆表サイトには感想を書いていないものの、ブログ「思考の遊戯」をご覧の方は、私が(仕事の都合上)ビジネス本を読んでいることをご存知かもしれない。稲盛和夫に関する本もそのひとつ。賛辞メインの本を読むなら、否定派のものも…

『ガルムウォーズ』☆☆危惧していたような、コスプレした3、4人が歩いているだけの作品ではなかったものの、かなり眠い映画だった。 パイロットフィルムの「その後」だけを描くのではないかと懸念していたが、一応、そこにあった派手な見せ場そのものは漏れ…

『桜と富士と星の迷宮』 ☆☆★バカミス/仕掛け本シリーズの最新作だが、パワーダウン感は否めない。 静的な仕掛けはかなり分かりやすい。特に「間奏」パートは、最後に明かされる謎にしては簡単すぎるのでは……? 動的な仕掛けと、その意味づけに関しては出色…

菅谷信一『不況知らずのランチェスター最強経営力』を読む印象に残ったところ「中小零細企業の「一位づくり」の基本戦略でもっとも大切なのは(略) 1需要(ニーズ)がある(市場がある) 2自社が商品やサービスを提供できる 3競合が弱い」「同業より異業…

『魔神館事件』 ☆★あまりにも思わせぶりな悪夢、フラッシュバックのような謎の人物のモノローグ。区別できない登場人物に、ラノベ全開のヒロイン。 典型的な嵐の山荘ものである。 その実態は『名探偵の掟』で格好のネタにされそうな、悪い意味でのバカミスで…

『彼女の幸せを祈れない』 ☆☆☆★銀次郎シリーズ。冒頭で、前作に登場したフリーライター青葉が殺される、というショッキングな始まり(そんなに衝撃的なほど重要人物じゃなかった?)。事件を追う銀次郎だが、中盤(3章末)で物語はぶった斬られ、4章から、…

中沢孝夫『中小企業の底力 成功する「現場」の秘密』を読む 基本的には、学術的なトーンで、印象に残ったところも、他の著書からの引用となる、現場の声となりました。印象に残ったところ 「品質管理も量産技術も同様ですが、過去、どれだけ失敗しているかが…

『彼女のため生まれた』浦賀和宏 ☆☆☆☆★どうやってシリーズ化するのかと思ったが、まさかの「フリーライター桑野銀次郎」シリーズである。 浜松の実家で彼の母親が殺され、父親も負傷した。銀次郎が向かって、明らかになったのは、犯人が高校の同級生だという…

エディ・マーフィー主演のバディ・ムービーかと思ってみたら、70年代くらいの作品?(調べたら、エディ・マーフィーだった。全然顔が違うなあ……。私の記憶はパート2の方らしい) 荒っぽい白人刑事が、捜査のため、盗みで刑務所にいる黒人を48時間だけ捜…

『妖怪大談義』京極夏彦 ☆☆☆★民族学者から作家まで、バラエティ豊かな対談集。相手も掲載誌もバラバラである。「『大江戸化物細見』の図説細見で、「豆腐小僧」が詳しく紹介されていますが、(略)豆腐を持っているだけの妖怪。何の怖さもない。」なるほど確…

『松本州平のヒコーキ模型道楽』 ☆☆★雑誌『スケールアビエーション』連載の「改造しちゃあかんリターンズ」を単行本化したもの。 巻末のローガン氏との対談を読むと分かるが、「改造しちゃあかん」というのは主に編集部による悪ふざけによるもの。本書の作例…

隼、鍾馗、疾風、飛燕、五式など、陸軍の代表的な機体の1/48プラモの作例を集めたもの。 実機の解説も一通りあるので、初心者にはありがたい一冊。 何しろ、実機の解説本では、陸軍機を通して紹介し、なおかつカラーでディテールまでわかる、という本はない…

『ツリー(下)』高橋克彦 ☆☆☆☆『総門谷』と『竜の棺』を合わせたような感じ。『竜の棺』も、「新」の方。 終盤は、名美を巡っての破綻すれすれの展開である。ツリー(下) (双葉文庫)高橋 克彦 双葉社 2015-08-06

タイトルだけでテレビ放送される映画を見る、というのは、なんとなく映画館に入って観るのに近いかもしれない。 もっともスリリングなのは、映画のジャンルがわからない、ということだろう(^_^;) 本作も、ミステリーなのかサスペンスなのかわからない、とい…