思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『7つの海を照らす星』七河加南 ☆☆☆☆創元社伝統の連鎖(連作)短篇集。ぶっちゃけて言えば加納朋子や若竹七海『僕のミステリな日常』みたいな感じ。 舞台が児童福祉施設(正解には児童養護施設。読んでも覚えられなかった(^_^;)) 各短編の最後には、「謎の…

岩谷誠治『早い話、会計なんてこれだけですよ!』「一年間、つまり次の報告日までに現金に戻ってくる予定のものを流動資産、一年を超えるものを固定資産に区分します。」「一社員として耳にする経営者の訓話は、「厳しい環境」「今年が勝負」というように、…

『さかさ』倉坂鬼一郎 ☆☆☆★ 角川ホラー文庫『ひだり』の続編であり、八神宇鏡シリーズの完結編(かどうかは断言できないが、最後は満身創痍ゆえ、大きな区切りとなることは間違いない)。 やってることは『ひだり』と大差ないが、スケール、エロ、グロどれも…

『ガイア(上)』 ☆☆☆★90年に書かれた作品だが、2038年の地球社会を描くのが半分(というか、文量的には七割くらいある)、もう半分というか、SFとしてのメインは、人工的に作られたマイクブラックホールが事故で地球内部に落ち込んだことで引き起こる事態の…

『テンペスタ』 ☆☆☆池上了一の小説に『テンペスト』というのがあるが、そちらの意味は知らないが、こちらは、美術史的な絵画のタイトルから。 この作品、はっきり言って体裁はツンデレ系ラノベと大差ない。もちろん作者らしい日本愛、日本語愛、や美術史うん…

岸良裕司『全体最適の問題解決入門』『「木を見て森も見る」最強の思考プロセス』という副題の通り、具体的な問題解決事例よりも、基本となる考え方を紹介している。 その内容は、乱暴に言えば、問題点があれば、対立、因果関係、メタ視点など、様々な関係性…

『攻殻機動隊』 ☆☆☆☆『2』に比べると、はるかに読みやすい。こちらはちょっと密度が濃いが、普通のマンガの文法の範囲内で描かれている。キャラもマンガチック(変な書き方だが)だし。 絵柄は、2巻くらいまでの『サイレントメビウス』に似てる。 改めて読…

『テキスト9』 ☆☆☆★なんだろねえ…。 本作は『新しい太陽の書』のようであり、『ノヴァ』のようであり、『ジャン・ゴーレ』のようであり、『果てしなき流れの果てに』のようであり、『神狩り2』のようであり、『言壺』のようであり…。 ミステリーで言えば『ウ…

『ひだり』倉坂鬼一郎 ☆☆☆★このシリーズ、タイトルが似ているだけで、共通する登場人物がいるわけではない、不思議なシリーズだ。確かに、ホラーの真面目である、何が起こるか分からない不安を掻き立てるには、効果的な設定だろう。シリーズ登場人物イコール…

『鬼蟻村マジック』 ☆☆★やっぱり作中でも言及されるとおり、横溝的一族ものミステリー。 三十年前の密室人間消失から、現在の連続予告殺人まで、トリック盛りだくさん。 ただ、真犯人こそ意外ではあるものの、トリックは半分くらい推理できた。また、真犯人…

和田裕美『誰でもリーダーになれる3つの約束』こういうタイトルだが、エピローグには 「愛のない人に人を育てることなんてできないからです。 だから、愛情を持てない人には土台がなく、こんな人はリーダーに向かないし、ならないほうがいいと私は思うので…

堀公俊『チーム・ファシリテーション 最強の組織をつくる12のステップ』「「目標達成型」アプローチ(略)原因を追及せず、解決策だけを考えるのがこの方法です。(略)根本解決よりも行動を起こすことを優先する、という発想です。」「できなことにチャレン…

なお、カバーイラスト、一見美少女に見えるが、よーく見れば不細工ですよ〜。 『BEATLESS』 ☆☆★大作。ただし、どれもこれもどこかで見たような設定、ビジョンばかりで、目新しさが全くなかった。 アンドロイド美少女が主人公の少年と契約して戦うのは『ロー…