2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧
歌野晶午 講談社文庫 ☆☆☆☆ それほど大技が使われているわけではないが、基本的な水準は高い短篇集だ。 『猫部屋の亡者』は内容的にも痛いし、滑ってる。 『記憶の囚人』はネタとしては悪くないが、歌の歌詞みたいに書いている理由がないと、あの体裁は恥ずか…
東野圭吾 集英社 ☆☆☆★ 二段組みで500ページもあるんよね。結構長いくせに、どんな話なのかなかなかわからない。登場人物も場面も時間もすぐに変わる。だいたい構造(とフーダニット)が掴めてくるのが200ページあたりだろうか。そこまで行くまでが結構つらくて…
司馬遼太郎 文春文庫 ☆☆☆☆ この巻序盤で松陰は刑死させられてしまい、比較的あっさりと主人公は高杉晋作にバトンタッチする。このあたりは同じく主人公が変わった『国盗り物語』を連想させられる。 この高杉晋作がいろんな意味で嫌なやつなのだが、幕府によ…
司馬遼太郎 文春文庫 ☆☆☆☆ 最初に作者のことわり書き(前書きではなく、これが本文中にあるあたりが、作者自ら書いているように、本作が「小説と言えるかどうか」と、エッセイか講談的な雰囲気を有する所以だ)にあるように、吉田松陰と高杉晋作の物語。 まだ…
辻真先 新潮文庫 ☆☆☆★ 可能克郎と智佐子のシリーズ。作者が現地取材せず、資料と机上の想像のみで物語を作るのもこねシリーズの特徴でもある。 舞台はあまりにも有名なオリエント急行。とは言え、主役の克郎はお金がなくて留守番なのがほっとさせられるとこ…
サラ・ウォーターズ 創元推理文庫 ☆☆☆ めちゃくちゃ読みにくいわけではないのだが、とりあえず長い。ネタの種類的にはある程度の長さは必要なのだろが、タイトル通り、この半身(半分)で充分。 これだけ長いくせに刑務所の慰問の制度とかの説明は全然なかった…
原作:和智正喜&作画:なかざき冬 講談社少年マガジンコミックス ☆☆☆☆ 特撮好きな男子高校生が、ひょんなことから変身能力を手に入れ、怪獣たちと戦う。 ありがちなパロディものと思いきや、ある種のメタ要素が通好みな佳作だ。 笑えたのがどう見ても岡田斗司…
吉村達也 角川oneテーマ21 ☆☆☆☆★ 著者はあの推理作家の吉村達也(^_^;) アマチュアのマジックマニアとしての側面から、マジックの騙しのテクニックを解説する。 もちろん、そのものズバリな種明かしはないが、マジックをよく見ている人ならなんとなく想像がで…
立元幸治 PHP新書 ☆☆☆★ タイトル通りの内容。それは良い意味で。副題を引用されている柳美里の「テレビを捨てに行こう」としてもいいかもしれない。 許認可事業としての責任、視聴率のみに縛られた内容の空虚化、そして冒頭にも挙げた、テレビを見ないという…