思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『六麓荘の殺人』開始・読了

吉村達也 ☆☆☆ 光文社文庫 田園調布と芦屋での遠隔同時殺人事件?というのがミステリー的な設定。 六麓荘というのは、芦屋にある長高級住宅街で、小説的には、そこに住む金持ちの暮らしがメインとなる。132ページからの、金持ちでないと政治にかかる何億とい…

『疑わしきは罰せよ』開始・読了

和久峻三 ☆☆☆★ 角川文庫 量産作品〈赤かぶ検事〉シリーズの第1作となる短篇集。異名の由来となった赤かぶぶちまけ事件が描かれている(当然か)。 あの大御所・高木あき光が解説を書いているから、それを読めば、長所も短所も良く分かるだろう。 作品的には、…

『物狂い』読了

土屋隆夫 ☆☆☆★ 光文社文庫 巨匠・土屋隆夫の本格ミステリー。80代も半ばにして島田荘司的本格ミステリー作品を書き続ける作者。 幽霊の殺人という、まさしく本格ミステリーだが、刑事たちがひとつひとつ証拠を固め、謎を解明していく物語は、『陰の告発』(長…

『山陰ドン行に死す』開始・読了

辻真先 ☆☆☆★ 徳間文庫 トラベルライター瓜生慎シリーズ。ドン行の名前つき列車「山陰」は、82年に廃止されたようで、その直前に書かれたのが本作だ。 鳥取と米子の間にある臼の湯温泉(実在?)が舞台。 バラエティあふれる人間関係を見事に描き分け、謎や真由…

『迷犬ルパンと里見八犬伝』開始・読了

辻真先 ☆☆☆★ 光文社文庫 『八犬伝』をベースにしたサスペンス・アクション。 里見八犬伝の舞台となった千葉の富山(とみさん)で、おなじみのメンバーと、八房ならぬ巨犬・我王たちが悪者たちとの戦いを繰り広げる。 …と、ついつい一応ミステリーなのにも関わ…

『迷犬ルパンの大売り出し』読了

辻真先 ☆☆☆ 光文社文庫 〈迷犬ルパン〉シリーズでは初めての(?)短篇集。 解説にあるように、日常の謎から殺人、誘拐まで幅広く、バラエティに富んだ謎がある。どれも短いながらも、主な登場人物を手際よく紹介し、なおかつ活躍させる手腕はさすがである。

『虹北恭助のハイスクール☆アドベンチャー』開始・読了

はやみねかおる ☆☆☆ 講談社ノベルス 基本的にライトノベル。別にけなしている訳ではなくて、元がジュブナイルなんだからしょうがない。 親書サイズなのに一段組みだし、改行も頻繁なので、リーダビリティは良い。 あとがきによると、マンガ原作だそうで、文…

『ぶぶ漬け伝説の謎』開始・読了

北森鴻 ☆☆☆☆ 光文社 シリーズ第2弾。収録作品は『狐狸夢』『ぶぶ漬け伝説の謎』『悪縁断ち』『冬の刺客』『興ざめた馬を見よ』『白味噌伝説の謎』の6作。 表題作は良い意味でバカミスの王道とも言える壮大な陰謀が楽しい。 『興ざめた馬を見よ』は〈狐シリ…

『Y』開始・読了

佐藤正午 ☆☆☆★ ハルキ文庫 ひとことで言うと、東野圭吾『トキオ』『パラレルワールド・ラブストーリー』を合わせたようなもの。 連城三紀彦とまでは言わずとも、貫井徳郎か西澤康彦を彷彿させるようなしっかりした文章で、解説を読むと、作者は恋愛小説家と…

『汽車旅がいちばん』開始・読了

辻真先 ☆☆☆★ あとがきにも書いてあるように、珍しい純ノンフィクションな鉄道エッセイ。 とはいいつつ、飛行機や船についても軽くふれられている。 メインは豪華列車についてのルポ。 鉄道マニアは路線図や地図、時刻表を見ただけでも旅をした気分になれるよ…

『功名が辻(4)』読了

司馬遼太郎 ☆☆☆☆ 文春文庫 ついに土佐の国主になってから、いったいどのように剽悍な土佐侍たちを平定したのか。 『風雲児たち』では最後の部分だけがごくあっさり書かれていたのだが、それまで一領具足と呼ばれた郷士的な侍が各地で散発的な一揆を繰り返し…

『重い札束』開始・読了

佐野洋 ☆☆☆★ 集英社文庫 ふとしたことから偽札を持ちかけられた主人公が、どうするかを描いたクライムノベル。 精巧な偽札が、いくら印刷業者が作ったとはいえ、簡単にできるのはご都合主義とも思えるが、そこはフィクションだし、何よりも本作が書かれた昭…

『功名が辻(3)』読了

司馬遼太郎 ☆☆☆☆ 文春文庫 秀吉が死に、関ヶ原前夜まで。 秀吉亡き後、誰につくのが身の処し方として適当なのか、まさしく生死に関わる選択である。 千代の政治感覚に操縦されていた一豊だが、関ヶ原前夜に至って、一世一代の賭けに出る。 6/12〜6/13

『血液偽装殺人事件』読了

由良三郎 ☆☆★ 光文社文庫 「DNA鑑定の死角」という副題がついているように、DNA鑑定の問題点を挙げているのが眼目。 PCR法は、微小な血液を増幅するために、採取する時の他人の細胞が混入する恐れがある、というのがそれだが、まあミステリとしては大したこ…

『ZERO(下)』読了

『地球へ…』サントラ発売

スキャットなんかが印象的なサントラがようやく発売決定。 音楽の使い方とかみてると、樋口康雄さんに書いてほしかったなぁ…とつくづく思います。 これも良いんですけどね。地球へ・・・ Original SoundtrackTVサントラ アニプレックス 2007-08-08

『血液偽装殺人事件』開始

『ZERO(下)』開始

『ZERO(上)』読了

『宣戦布告』で日本の国防体制のもろさを指摘した麻生幾が、公安を主人公に超リアル謀略小説を書いた、それが本作だ。 冒険小説、ポリティカル・フィクション、あるいはノワールに分類されそうな本書は、読み進むにつれて警察官という一見オモテの世界のよう…

『ニッポン旅行の殿様』開始・読了

日本各地に旅行をしてきたミステリー作家にして“テツ”の辻真先が書いた旅行ガイド。 旅行の企画からチップの渡し方に至るまで、実際の旅行企画を例に挙げて書かれている。 “テツ”とは言っても、飛行機から船まで(軽くだが)触れられているので、決して鉄道…

『ΑΩ』読了